ブログパーツリスト

counter

« ガラスの靴59・「不満」 | トップページ | ガラスの靴60「本気」 »

フォレストシンガーズ・短歌俳句超ショートストーリィ2019/10

フォレストシンガーズ

2019/10

 タイの気候に近づいてきていると言われる日本の夏。
 今年も猛暑、酷暑が続いていた。

 子どものころをすごした金沢の街に、猛暑日なんてあったただろうか。
 北陸も夏は暑いが、隆也の子ども時代には喘ぐほどの暑さは経験していないような。

 夏休みの楽しさのほうが勝っていて、子どもには暑さなんて感じにくかっただけなのかもしれない。
 故郷は甘いノスタルジーに彩られているものなのだから、子どもなりにたくさんあった不快感なんて、忘れてしまったのかもしれない。

「おや、こんなところに……コスモスって晩夏の花だよな。ちょっとだけ季節はずれ? でもない?」

 大人は快感よりも不快感のほうばっかり感じて生きてるものなんだなぁ、などと感じつつ、仕事で訪れた故郷の街を歩いていた隆也は、たおやかな花を見つけて足を止めた。

「秋風にこすもすの立つ悲しけれ危き中のよろこびに似て」与謝野晶子

 コスモスの花みたいな女性と出会わないかな、なんて、そんな雑念も起きる、今年も独身のまま迎えた秋。

END


 


« ガラスの靴59・「不満」 | トップページ | ガラスの靴60「本気」 »

フォレストシンガーズ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« ガラスの靴59・「不満」 | トップページ | ガラスの靴60「本気」 »

2019年11月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
無料ブログはココログ