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フォレストシンガーズ・短歌俳句超ショートストーリィ2019/7

フォレストシンガーズ 超ショートストーリィ

 
 その歌の解釈を教えて下さい、と頼まれることはよくある。
 フォレストシンガーズの乾隆也は古典文学を大学で専攻した、特に短歌や俳句が得意分野だと、フォレストシンガーズが有名になるにつれ、そちらも有名になっていったからだ。

 グループとして、であるので、個々のメンバーはさほどに有名ではない。ファンではない人に言わせれば、フォレストシンガーズに乾隆也っていたっけ? 程度であるのだが。

「この季節にふさわしい、ぴったりの短歌を教えてください。乾さんの自作だと嬉しいな」
「いや、そんな即興では詠めませんよ」

 こちらの頼みもよくされる。
 
 梅雨明け間近の七月のある日、雑誌のインタビューを受けていた隆也は、そう言われて考え込んだ。七月の短歌……あまりにも有名ではないものといえば。

「日かげにもしるかりけめや少女子が天の羽袖にかけし心は」
「えーと、出典は?」
「源氏物語です。五節の舞姫」
「はあ……意味は? 恋の歌ですか」
「解釈はあなた自身のお心のままに」
「えーっと……も、しるかりけめや? えとえと……」
「感覚で解釈して下さいね。ひとつひとつの語句の意味は置いておいてもいいんですよ」

 定番の質問には定番の答えで。

END

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