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フォレストシンガーズ・短歌俳句超ショートストーリィ2019/5

フォレストシンガーズ 超ショートストーリィ

 

かたわらでどこかで聴いたことのある歌を口ずさんでいる男は、俳句や短歌にはすこぶる強い。おかげでフォレストシンガーズ内では、和歌の話題に花が咲いたり句会をやったりと、章には大迷惑だ。対外的にもなにかといえば、では、ここで一句、などと振られる。

 

「それは乾さんの得意技。俺は苦手ですよ」
「そうなんですか」

 

 先日もラジオで、フォレストシンガーズは全員が俳句や短歌が好きなのかと思った、と女性DJに言われてしまった。

 

「初夏の短歌、楽しみにしてたんですよ」
「短歌は一句とは言わない。一首です」
「やっばり木村さんも得意じゃないですか」
「この程度で……」

 

 得意では決してないが、影響は受けてるな、と木村章は思うのであった、

 

「夏も近づく八十八夜、 野にも山にも若葉が茂る」

 

 童謡? 唱歌? どっちでもいいけど、要するにガキの歌だな。章はちらっと考え、かたわらで歌っている乾隆也に訊ねた。

 

「その歌詞って、北原白秋とか……」
「とか?」
「えーと……滝廉太郎とか……えーと……」
「滝廉太郎は作曲家だろ。他には?」

 

 有名な作詞家の名前を述べよ、とでも言われているらしい。

 

「フレディ・マーキュリーとかエルトン・ジョンとかね」
「章らしい答えだな。で?」
「いや、だから、その歌の、夏も近づく八十八夜って、誰が作詞したのかなって気になって……」

 

 そういうことか、とわかっていたくせに納得してから、隆也は応じた。
 作者不詳、なのだそうだ。ああ、そういうのもアリなんだな、と章も納得した。

 

END

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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