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フォレストシンガーズ・短歌俳句超ショートストーリィ2018/10

フォレストシンガーズ

超ショートストーリィ

 
 誰よりも長い時間をともにすごす相手とは、仕事仲間の場合が多いのではないか。その意味では別段変わったことでもないのだが、十八歳以降はこいつと一緒にいることが多かったよなぁ、と真次郎は、かたわらに立っている隆也を見やって感慨にふけった。

 妻はいないが、両親や兄たちといった家族よりも彼とすごした時間が長い。深く考えるといささか気持ちが悪いので、うん、そんなこともあるだろ、と自分を納得させた。

「絵のような俳句だの短歌だのってあるだろ。わかるか」
「わかるような気がする」

 彼、乾隆也は日本の古典文学に造詣が深い。俳句や短歌とは古典と呼ぶのかは知らないが、理系人間でそういったものはさっぱり不調法な真次郎は、学生時代から文学的な方面では隆也に頼りっぱなしだった。

「たとえば?」
「たとえば」

 目を閉じて、隆也が口にした。

「秋空を 二つに断てり 椎大樹」高浜虚子

 ほんとだ。まさしく絵のようだ。
 真っ青な空に向かって伸びていく、まっすぐな椎の大樹。俺たちも椎の樹のようにまっすぐに伸びていきたいな、とはクサイ台詞に思えて言えないが、隆也もきっと同じ気持ちだろう。それもまたキモチワルイ……いや、気持ち悪くなんかないだろ。俺たちはいつだって志を同じくする者、なのだから。


SHIN/30/END


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