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フォレストシンガーズ・短歌俳句超ショートストーリィ2018/7

フォレストシンガーズ

超ショートストーリィ


陽射しが眩しいと感じてはいても、心地よくて目が開けられない。

 真夏の昼下がり、扇風機が熱い空気をかき回している。縁側のむこうは外だ。真夏の太陽がぎらぎらの戸外の空気も感じながら、畳に伸びて午睡。なんと気持ちがいいのだろう。

「こんなところで寝ていたら、熱中症にならないか? 本橋、大丈夫か?」

 うるせいな、と反応するのも面倒なので、本橋真次郎は乾隆也の声を無視した。

 大学生になってはじめての夏のメインイベントは、合唱部の合宿だ。海辺の合宿所に大人数でやってきて、歌が中心の数日をすごす。真次郎と隆也も男子部の最下っ端として合宿に参加していた。

 一年生なので、歌の前に雑用にもこき使われる。合宿初日の今日は掃除だなんだと追い回されて、ようやく自由時間になった。畳の部屋を見つけて横になったら、眠さに負けて寝入ってしまった。

「じゃあ、これを……」
「うう」

 顔の上に隆也がふわっと乗せたものは? 隆也が口にしたフレーズで、それがなんなのかは真次郎にもわかった。

「わが夏をあこがれのみがかけされり 麦藁帽子かぶりて眠る」寺山修司

 てめえで細部をぴったりにしておいて、うんうん、完璧、と呟いているなんて、自己満足もいいところだ。


SHIN/18/END

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