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2016年5月

ニッポンの猫たちpart11

Inu


のっけから犬です。
金沢のお土産もの屋さんの子。

Mi


Nya


Saba


Saba2


Shodo

小豆島の猫。

Saru


淡路島の猿。
一瞬、この碑にくっついているオブジェかと思った。

Umeda


梅田裏通りの都会の猫。

Shippo


これはなんでしょう?
半端都会の猫です。


読書ノート23

①平山夢明「或るろくでなしの死」

人としてしてはならないこと、をテーマにしたものすごくいやぁな小説を読んで以来、平山さんは気になる作家のひとりです。いきなり訪ねてきた大学生男子ふたりに「おばさん、プロレスごっこしようよ」と言われた中年女性のストーリィなど、よくこんなこと思いつくなぁ、と。

それとはちがいますが、今回も近いテーマの短編集です。

これでもか、これでもかっ、という具合に登場する人でなし、ろくでなしたちの生態に呆れつつも、作家としての平山さんには拍手喝采です。

②乃南アサ「結婚詐欺師」

作家として拍手喝采といえば、乃南さんが私にとってはベスト。
エッセイを読むとそう素直な性格はしておられない気もするのですが、小説では人物像がわりと素直ってか。わかりやすく書いてるのかな。

その力量で、詐欺師が女心をつかんでいく過程を事細かに描写する。
相手の女性の境遇や性格によって、褒めたりけなしたりおだてたり脅したり、ちょっと怒ってみせてから後悔しているふりをしたり。いやいやいや、脱帽。

頭脳犯罪の犯人の応援をしたくなることもある私ですが、こいつだけは許せん。
私もころっとだまされてしまいそうで、怖いですねぇ。乃南さんも詐欺師にはなれますよ、きっと。

③椎名誠「海ちゃんおはよう」

息子の岳くんを主人公にした私小説も読みましたが、こちらは娘の海ちゃんが主人公。

奥さんと出会ったときの、ともに探検が好きで旅が好きで、それゆえに惹かれ合い結婚したというところが、時代もあらわしているし、清々しくていいなぁ。

今どき、そんな結婚は現実的じゃないかもしれないけど、ファンタジーみたいに素敵です。
孫ができておじいちゃんになった椎名さんの、若き日の物語。

④瞳みのる「ロンググッバイのあとで」

ザ・タイガースのドラマーだったピーの自叙伝のようなもの。彼がこんな暮らしはいやだと言い出してザ・タイガースは解散してしまうのですよね。トッポは失踪してしまったけど、ピーは自分の責任はまっとうしたと。

最近になって借りたザ・タイガース解散コンサートのライヴCDの中で、ピーが言ってます。

「僕はもう二度とステージに立つことはありません。最後のステージで……」
その言葉の裏話みたいな?

大阪で合宿していた楽しかったころを経て、東京で先端的な人々とも触れ合い、熱狂的なファンにもみくちゃにされ、時代の渦にも巻きこまれ、恋愛に破れ仕事に疲れ果て虚業がいやになって。

本人が書いたという体裁ですから、すべてを信じるのもどうかと思いますが、ひとつの時代を生きた団塊の世代の男性の、その中でも特殊な生き方をしたひとりの自分史みたいで、とても興味深かったです。
で、やっぱりステージには戻ってきたのね。三日やったらやめられないのね、ほんとに。

⑤恩蔵茂「ニッポンPOPの黄金時代」

図書館でこのたぐいの本を発見すると、まちがいなく借りてきます。

ロカビリー、日劇ウエスタンカーニバル、雑誌やテレビでちらっと見聞きした程度のそんなイベントの、その場に身を置いてみたかったなぁ。東京へそんなものを見にいけるような環境じゃなかったし、第一、ガキだったし。残念。

ザ・ヒットパレート、シャボン玉ホリデー、となると、親が見ていたかすかな記憶はあります。
「おとっつあん、おかゆができたわよ」のかたわれの方は、もうこの世にいないんだなぁ。

ビートルズが来日する前は、日本ではベンチャーズのほうが人気があったのだと初めて知りました。
私も同類ですから、大衆的に俗っぽくてわかりやすいもののほうが受けるのですよね。

⑥篠田節子「青らむ空のうつろの中に」

この方の力量も相当なものだと尊敬していますが、ちょっととっつきにくいかな。乃南アサ作品ほどたくさんは読んでいません。

なんつうのか、リアリストなのかな?
いやぁな話……平山夢明氏の書くいやな奴は、いくらなんでもこんなのいないでしょ、って感じですが、篠田さんの書く奴はどこかにいそうで怖い。

脱サラして信州でベーカリーを営む夫婦。東京あたりで震災が起き、被災者がどんどんやってくる。
無法地帯と化した町では自警団が結成され、物理的な「力」ばかりがものを言わせる世界になってしまう。
主人公は途方に暮れているけれど、妻は我が子を守るため、女としての自分の身体も使い、敵とみなした相手を殺すことも辞さない。

いつなんどきそうなってもおかしくない設定なだけに、うわぁ、いやな話を書く作家だなぁ、と思ってげんなりするのです。

⑦長岡靖久「我輩は駅長たまである」

この本を読むすこし前に、和歌山貴志駅長、たまちゃんが永眠しました。
たまちゃんが亡くなった直後は、ネットのたまグッズも売り切れ続出でしたが、古本だったらあったので買いました。

たまちゃんを愛していた人々も、一度は会いにいきたかったのにかなわなかった人々も、ほうぼうから彼女を悼む声を寄せていましたね。お葬式もものすごく盛況だったようで。

反面、虐待しただのストレスを与えて命を縮めただの言う人もいましたが。

本猫はなにも言わないので真相はわかりませんし、人間の希望的観測かもしれないけど、たまちゃん、楽しんでいたんじゃないかなぁ。彼女はきっと、廃線になりかけていた貴志川電鐵のために、天からつかわされてきた猫だったのですよ。だから早めに天に帰ったのです。

と、私は考えたい。
そう思ってたまの小説も書きました。
http://quianred.blog99.fc2.com/blog-entry-1448.html

⑧磯前順一「ザ・タイガース、世界はボクらを待っている」

たしか、私がはじめて友達同士で見にいった映画がこのタイトルだったはず。リアルタイムではなかったはず。

瞳みのる氏が書いたものよりは、こっちのほうが真相に近いのかな。書けないこともあるのかもしれませんが、「ロンググッバイのあとで」と重なる記述もたくさんあります。

タローさんはソロ活動、トッポもピーも個人的に活動していますね。
ジュリーは「往年の」かもしれないけどビックネームですし。
で、いちばんのスターは岸部一徳さんじゃありません? 

ザ・タイガースが一世を風靡していたころ、誰が四十数年後のサリーを想像したでしょうか。
ライヴCDなど聴くと、岸部さんは芸達者だと実感しますけどね。

⑨坂井希久子「ヒーローインタビュー」

メインキャラはほぼ架空ですが、あ、これ、山本マサ!! だったりするプロ野球小説です。

主人公は阪神タイガースの二軍野手、理容院で働く過去のある女性や、スカウトのおっちゃんや主人公の友達や、関西人たちが入り乱れて人情噺を繰り広げるところは、吉本新喜劇みたいでもありますね。

ものすごーく古いタイプの話の展開なのですが、そこがまたいいのかもしれない。プロ野球ってわりとおっちゃんたちの世界だから、いまだ、根性論一本の解説者なんかもいますし。

ラストもおさまるところにおさまって、よかったね、です。
こういうのはどんでん返しは不要ですものね。

**************

五年に一度くらい、日本では大地震が起きますね。
ついこの間、東北の震災から五年……といっていたら、熊本、大分で。

私にはなにもできませんので、ちょこっと募金をして、一日も早く被災者のみなさんがもとの生活に戻れるように祈っています。

Yjimagefutari


ワタシタチモトオクカラオウエンシテイマスヨ。

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