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114・恋はみずいろ

数年前の梅雨どきに、彼はフォレストシンガーズを脱退しました。恋人に「できちゃったみたい」と告げられ、ならば結婚するしかないかと観念し、歌はやめて彼女の父親の会社に就職した。どこにでもころがっているありふれた話なのかもしれません。

主人公は小笠原英彦。歌はシャンソンのスタンダードナンバーといったところでしょうか。イージーリスニング、ボールモーリアの楽団などが演奏していて、甘く耳ざわりのいいメロディが、中学生ぐらいのころから好きでした。

どこにでもころがっている話ではあるものの、ヒデの歌への想いは断ち切りがたく、彼はこれから五年ぐらいは暗い冥い場所を歩き続けます。未練がましい男、女性には嫌われそうだけど、アホな子ほど可愛いので、私はヒデも大好きなんですよ。

「あんたが生み出した子なんやきに、そりゃあ、わしはアホちや」

なんちゃって土佐弁? でヒデが怒っております。

彼は別に坂本龍馬がモデルってわけでもないのですけど、昨年の大河ドラマで土佐弁は耳になじみのいいものになりました。アクセントが関西弁に近く、親しみやすくて、関西人には入っていきやすいというか、聞き取りやすいというか。

もちろん幕末の土佐弁と、現在の高知弁はかなりちがうのでしょう。大阪弁だって祖父母の時代とだと相当にちがってますものね。

土佐弁につきましては、さるソフトのお世話になりました。「よさこい龍馬くん」ありがとうございま~す。

ストーリィは、元来は陽気なヒデが一時的に饒舌でえっちで明るい彼を取り戻すってもの。

繰り返される妻との喧嘩に疲れ、小さな娘もあまり可愛いとも思えず(愛しいとは思ってるけど……不器用な父なのですね)、毎日に倦んでいるヒデが、休日に外へひとりで食事に行く。

フレンチのレストランに入ってしまって、げげっと思っているヒデの前に、フランス人留学生のソフィがあらわれる。「ございます」口調で喋る美人のソフィは、昔のヒデを遠くから見ていたことがあった。とまぁ、これもありがちですが。

このストーリィを書く前に、著者はパリをつまみ食いしてきました。そこでわずかに触れ合ったフランス人が、物語に反映しているかもしれません。

二十四歳シリーズラストの「恋はみずいろ」はシゲのストーリィと同じ日、シゲとヒデは奇しくも東京と茨城で同じ夕陽を見上げ、あいつ、元気かな、と考えているのです。おまえもがんばれよ、ってね。

Paris

12月のparis

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