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最後のグイン・サーガ

昨年ご逝去された栗本薫さんは「ぼくらの時代」で有名になられて、私も「ぼくら」シリーズは楽しませてもらったものです。栗本薫くんって小柄な男の子と、バンド仲間の長身の信くんたちが活躍するミステリでしたね。

現代でいうところの「腐女子」なんかも出てきて、信くん主役の暗いトーンの番外編なんかもあったりして。栗本さんは「番外編」と「あとがき」がお好きだったようです。

一度、SF大会で女性作家たちの討論会に出席しておられた栗本さんのお話を聞き、そのあとでサインをしてもらった。栗本さんの愛する今岡さんのお話もSF大会で聞いたことがあります。

もう三十年近くも前になるのか、友人たちの間で評判になっていた「グイン・サーガ」。私はまだ読んでいなかったので貸してもらい、すでに数冊出ていたのを続けざまに読んで、それからは自分で買うようになりました。

もともと私はファンタジーは苦手なのですけど、「グイン・サーガ」は他のファンタジーとは一線を画しているというのか、けっこうはまってしまったのです。

100巻で終わる予定だったはずが、延々延々と続き、最終巻は「128・謎の聖都」。一年ほど前に刊行されたこの本を今ごろになって読んでいます。胸が痛い。

スカールの台詞。「この世は所詮ただのこの世だ。どうしてこの世そのものを受け入れ、この世そのものを生きていくということがかなわぬのだ」。これを書いていた栗本さんの身体を考え合わせると、しみてきます。

128巻もあるだけに、膨大なキャラクターにも思い入れがありましたねぇ。私は最初はイシュトヴァーンが好きでした。陽気でワルで子供っぽかったイシュトが変貌を遂げていき、単純な馬鹿ではなくなって、凄惨にすらなってきて、そのころからついていけなくなった。

それからはマリウスが好きでした。ああいう女好き、口説き上手な吟遊詩人キャラ(ただし、彼は相手かまわず受け入れますので、男性でも可、なのですよね)、けっこう好みです。

栗本さんが複雑な人間でいらっしゃるからか、作家なんてそれで当たり前だし、ってわけで、単純なキャラはあまりいないのですよね。

そういえば、アリなんて奴もいましたよね。あのたぐいの人間を描写させると、栗本薫の右に出るものはいなーい。おおげさ? でも、どっかの三醜女なんかも、ほんと、上手だなぁと思いましたよ。外見的にせよ内面的にせよ、醜悪な人間の描写が秀逸なのですよね。

美しい人間なんてものは、描写のバリエーションが限られてくる。栗本さんひいきのナリスなんかにしても、彼の美貌やファッション描写はそうは目新しくもなく、わりと普通でした。

ファッション描写もお好きなようで、長く長くそういうのが続く。建物や街のたたずまいだとか、舞踏会の雰囲気だとかを長く描くのもお好きでしたね。それと、忘れちゃいけない、数ページに渡る長台詞!!

それからそれから、美女。時代設定がかなり古いということで(ここは地球ではないようですが、三国志好きの栗本さんはそれをベースにして、地球上でいえば近世あたりが舞台かな?)男も女も「らしい」のがいい時代だったみたいで。

ご自身の恋愛感も反映されていたのかどうか、華麗なる美女たちは恋をすると可愛い女になってしまって、まあ、時代が時代だからね、ってね。

そのような話をグイン・サーガを読んでいる友人たちとしては、盛り上がっていたのも思い出します。もう読めないんだな。おしまいなんだな。

ミロク教はこれからどうなるの? リンダとイシュトは? イジメラレッ子キャラみたいで気の毒なシルヴィアは? 他のみんなは? これからが佳境に入っていくのにぃ。続きを知りたいよぉ。

などなどと言ってみても、栗本さんは天国で舌を出して、ごめんね、と言うしかないのですよねぇ。読者はただ、ご冥福をお祈り申し上げます。

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コメント

最初に刊行されたときからのファンです。私もイシュトが好きだったんだけれど、だんだんに・・・w。
自分では買えなくて、父が、もう飽きているにもかかわらずに、必ず買っておいてくれて、それが実家に帰る楽しみだったのに。最後の文庫が出た時は、父も入院してしまい、その前巻が最後に家に残っています。
あの世界が未完に終わるっていうのも、ひとつの結末としていいのかなぁと、自分を慰めています。
身近に読んでいる人がいないのがさびしかったな。
マリウスって、能天気なようでいて、けっこう「考えて」いるところもあると思いませんか??

「ぼくらの時代」も好きです。

夢まぼろしさん

読んでいらしたのですねー。
著者が亡くなってしまわれて寂しいですけど、ああいう終わり方もそれはそれで、らしい。かな?
そうも言えますよね。

栗本さんはかなり薔薇系の小説も書いておられますが、そういうのも読まれました? 薔薇ってなに?でしたらスルーして下さいね。

薔薇系のもの・・・意味は理解できるけど、たぶん体質的に合わないと思うので、スルーしてますw。
ちょっと興味はあるけどね~ww
グインの中にも、それっぽいところが、チョイ見えますよね(笑)。

はいはい、ありますね。
栗本さんはかなりそっち寄りもお好きですものねー。
私も軽いタッチのものなら好きですが、栗本さんの書くそっち系は重いのでちょっと……です。

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